ケアマネ不足が深刻化 – 現場と行政の認識のギャップ
ブログ2025年02月01日
ケアマネ不足問題が深刻化しています。昨年12月の市議会定例会で明らかになったこの課題について、現場の声をもとに考察していきたいと思います。
先日の市議会12月定例会で、この問題が取り上げられ、現場の実態と行政の認識にズレがあることが浮き彫りになりましたね。
■ケアマネ不足の実態
市内の居宅介護支援事業所では「ケアプランを作り切れない」という声が上がっています。人手不足で事業所が新規の受け入れを断らざるを得ない状況も発生しているようですね。
ケアマネジャーの方々は、利用者のために無理を重ねて業務を引き受けている実態があります。長時間労働や残業が常態化し、体力的にも精神的にも限界に近づいているのではないでしょうか。
■行政の認識との隔たり
一方で、藤井市長は「適切に対応できていると考えている」と答弁されました。しかし、執行部は「介護人材の不足のデータは現時点では持っていない」とも述べており、現状把握が十分でないことを認めています。
来年度に調査を実施し、その後に対策を検討するとのことですが、すでに現場は悲鳴を上げている状況で、このスピード感で間に合うのでしょうか。
◾️現場からの報告と課題
したがって、以下のような問題が発生しています:
・ケアプラン作成が追いつかない状況
・長時間労働の常態化
・更新研修費用の負担(約5万円)
・高齢化による担い手不足
■日刊新周南の記事から見える課題
あらためて、日刊新周南さんの記事を読んでいただきたいです。記事では「ケアプランを作り切れない」という現場の声や、事業所が新規受け入れを断らざるを得ない状況が報告されています。また、地域包括支援センターが手の空いている事業所を探さなければならない状況も指摘されており、現場の逼迫した状況が浮き彫りになっています。
■現場の声から考える
そして、私自身、友人の経営者からケアマネジャーさんの働く環境についての悩みを聞いてきました。人の役に立ちたいという崇高な志を持って資格を取得し、その仕事に従事したにも関わらず、ケアマネの仕事だけでは生活が立ち行かないという現実があります。
他の業務を選択した方が収入面では恵まれる中、なぜケアマネジャーという道を選ぶのか。それは純粋に人の役に立ちたいという思いがあるからこそではないでしょうか。しかし、この状況が続けば、成り手はますます減少し、ケアマネ不足だけでなく、現場の高齢化も加速していくことが予想されます。
■解決への展望
この課題に対して、政治ができることは確実にあると考えています。例えば、資格は持っていても様々な事情で現場に出られない方々が、復帰しやすい環境を整えることも一つの方策です。
しかし、より本質的には、対処療法的な解決だけでなく、在宅で健康寿命を伸ばすことのできる社会の仕組みづくりが必要です。それは行政、事業者、そして市民が一体となって取り組むべき課題なのではないでしょうか。
■近隣自治体の取り組み
そこで、光市や下松市の取り組みを見てみましょう。
光市では中小企業等人材定着・定住支援補助金を設け、ケアマネジャーの更新研修費用(約5万円)の補助を行っています。
下松市でも管理者向けの人材確保研修会を開催するなど、それぞれの自治体が対策を講じています。
下松市の取り組み
つまり、周辺自治体はすでに具体的な対策を講じているということです。
■私たちにできることは何か
高齢化が進む中、介護サービスの需要は今後さらに高まっていくことが予想されます。ケアマネジャーの方々が働きやすい環境を整え、地域の介護体制を守っていくことは、私たち市民にとっても重要な課題だと考えています。
以下の3点が特に重要ではないでしょうか:
- 現場の実態を正確に把握すること
- スピード感のある対策を講じること
- 近隣自治体の成功事例を参考にすること
介護の問題は、いつか誰もが直面する可能性のある身近な課題です。
第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
令和6年7月12日に第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を公表しました。
これによれば、
・2026年度には約240万人(+約25万人(6.3万人/年))
・2040年度には約272万人(+約57万人(3.2万人/年))※()内は2022年度(215万人)比
の介護職員を確保する必要があると推計されています。
皆さまと一緒に考え、より良い解決策を見出していきたいと思います。
これからも地域の課題に真摯に向き合い、情報発信を続けていきますので、ご意見やご感想をお寄せいただけると幸いです。
[外部サイト]
山口県介護支援専門協会
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